私の交渉術

 戦術無き交渉に成功無し

交渉事というのは、ヤクザの掛け合いを含め、とにかく負けたらオシマイなワケです。
私も「ある程度人並み」には交渉を経験しています。
その時は、必ず下準備をしてから当たってます。
今回は個人対個人を扱います。
主に係争案件を有利に運ぶためのネタですが、一般的な…ビジネスなどの交渉事にも通用すると思います。

準備

下準備(相手の情報)

交渉に於いて、有利にコレに当たるには、まずは下準備をしておきます。
相手の情報を得るのが第一で、コレを怠ると交渉になりません。
相手の所属する組織・組織での地位・組織の性質・組織の責任者・家族構成・現在係争中の案件…色々です。
たとえば、相手が会社員であれば、その会社について微に入り細に入り下調べをします。
こうやって相手の弱点を探し、突破口にするワケです。

下準備(法律など)

交渉に当たるには、相手との交渉に必要な材料を持たなくてはなりません。
法的係争を個人対個人で行なう場合、コレの関連する法律を調べてアタマに叩き込みます。
法律をさらう理由として、自分が交渉中に違法行為を行なわないため、と、そういう意味もあります。
また、知り合いに「その道のプロ」がいる場合は、案件についての助言を求めます。
状況により、医師・法律家・職人など様々な人脈を作っておいて、その人脈を活用するんですね。
コレは強い武器になります。

下準備(土俵作り)

実際に交渉するにあたって、交渉する「場」を選択します。
密室のほうが効果的であれば、そういう場所をセッティングします。
逆に相手が「大っぴらにできない」と感じているのであれば、喫茶店などの「第三者が見ている場」を選択します。
重要なのは、交渉場所を「こちらが選ぶ」というコトですね。
相手の指定した場所に行くのでは、その時点でマイナス要因になります。
なるべく相手の来られる場所で、更にこちらが先に場所を提案して土俵作りをするんです。
つまり、場の下準備というのは「相手の土俵に降りない」のと「相手を自分の土俵にあげる」という、交渉に於いての最重要課題をクリアするためなんですね。

大義と筋

交渉に於いて重要なのは「大義と筋」ですね。
大義とは、交渉材料の中にある「守らなければいけないもの」を指し、筋とは「自分と相手に掛けられた社会的道義」になります。
交渉にあたって、まず大義がドコにあるのかを見つけます。
つまり、自分の要求が合理的に説明できる社会的規範を探すんです。
そして、その大義に対して相手が筋の通っていないコトをするからこそ、係争するコトになっているワケですね。
ですから、まず「相手に筋を通させる」というのが、最終的な交渉結果の点数に掛かってくるワケですね。
コレを忘れると、ボンクラのイチャモンにしかなりません。
逆にいえば、相手に筋さえ通させれば「交渉の8割は達成」したとしてもイイんです。

交渉の記録

交渉するにあたって、コレを記録するコトは「書くまでもない常識」です。
私が相手と会っての直接交渉をするにあたって、3重の記録を残しています。
まずはiPhoneでの音声記録。
露骨にICレコーダでは相手に「逃げ」を作らせてしまい、交渉が長引くんですね。
ですから、音声記録用ソフトを起動したiPhoneをタバコと一緒に机の上に置いて録音します。
次に、ボールペン型ビデオカメラを胸ポケットにさして録画します。
更に、もっと小型のカメラをカバンに忍ばせて録画します。
こうやって録音・録画がバレないようにして、相手に警戒感を抱かせないようにします。

実際の交渉

実際の交渉では、まず「吐いた唾は飲ませない」と「途中で席を立たない」のが原則です。
交渉の初期段階に於いて、まずカンタンな条件を作り、ソレを相手に認めさせます。
コレはどんなに些細なコトでもイイんです。
コレを骨にして肉付けをし、大きなネタに持っていくんですから。
途中で相手が意見を変えた場合、最初に認めさせた小さいコトを武器に、徐々に譲歩をさせていくんです。
相手が最初に認めたコトをひっくり返そうとした場合、大義も無く筋も通せない犬畜生にも劣るクサレだという風に相手を煽ります。
向こうが反論してこようとした場合、小さな声で「まずは筋を通せ」とでも言っておきましょう。
そして、絶対に自分は席を立たずに落ち着いて交渉に専念します。
どんなに相手が激高しても、自分はクールにコトを進めるワケです。
激高した相手というのは、勢いで「こちらに有利なコト」を吐きがちです。
ソレをネタに、さらに相手を追い込むのがカンタンですね。
この時に重要なのは「間」です。
重要な局面が何度か出てくるでしょうが、たとえばタバコに火を付ける、たとえばコーヒーを飲む、たとえば相手を無言で見続ける。
そういう「間」をとって、コチラが話を切り出すのに「重い空気」を作ります。
そして、相手が「帰る」と言った場合、この場合は交渉決裂ではありません。
交渉の途中での退席は、相手にクロブタでバンザイという意味になりますので、ソレを相手に突きつけて席に戻すかバンザイを認めさせるかをします。
この時に、録音・録画が役に立つんです。
相手がバンザイだと認めた録音・録画があれば、交渉案件の全てを勝ち取ったコトになり、あとで相手がどう言い繕おうと問題になりません。
相手が再着席すれば、先ほども言ったように、血の昇ったペテンではマトモな回答ができないばかりか、コチラに有利な失言をする可能性が高まっていますので、とにかく相手の痛いトコロをチクチクと攻め続けます。
最初にあげた「途中で席を立たない」というのは、トイレも行ってはいけないという意味です。
トイレに行っている間に電話で援軍を呼んだり、知恵を付けられるのを防ぐためです。
相手がトイレに行くという時には、交渉の基礎がなってないという風なコトで煽って、席に戻らざるを得ない状況を作り出すんですね。
尿意というのはガマンの限界がありますので、コレも強烈な武器になるんですwww

相手が複数の場合で大義が自分にある場合、一種の洗脳テクニックを使います。
堂々巡りの話し合いを、長時間自分主導でやるんです。
私はコレをよく使います。
うまく使うと、かなりの効果がありますから。

落としどころ

さて、交渉も大詰めになると、落としどころを決めなくてはなりません。
この時注意するのは、向こうがクロブタでと言わない限り10:0で落としてはいけないんですね。
9:1くらいで落とします。
この時にできる相手の1というのは、一見実現可能に見えて実際は実現不可能な「ややこしい」ネタを提案します。
あとから気付いても決着はついてますから、相手は吐いた唾を飲むコトもできず、ただ悔しがるだけで終わりです。
交渉というのはディベートではないので、ゼロサムではないんです。
必ず相手に花を持たせるんです。
そう、トリカブトのようにキレイな花をw

交渉成立後

9:1で交渉が終わった場合、書類によって結果を残すか、口答での合意で終わります。
いづれにせよ、録音・録画は全て残しておきます。
吐いた唾を飲んだ場合に備えて。

吐いた唾を飲んだら

コレは完全に報復を行なわないとならんです。
もしソレをしない場合、コチラがイモ引きに見られますので。
その際にカチ込む先が、最初に調べた「相手の情報」にあるドコかです。
たとえば今回の交渉が「相手にド突かれた」という案件なら、相手の所属する組織…会社なら相手の「所属課と上の方の部署」の両方に連絡を入れます。
もし親会社があった場合は、親会社にもクレームを入れましょう。
コレは、複数の組織を巻き込む事によって処分せざるを得ない状況を作り「相手を追いつめる」ための行為です。
モチロン録音を聞かせるのも忘れずに。
組織に所属する個人というのは、組織で自分の地位を落とさないように専念しています。
コレは、どんな思想であろうが共通の理念です。
ですから、ひとつの組織だけではなく、他の組織をも引き込むコトによって「地位が落ちるトリガー」を引くコトで、ガラガラと足許から崩れてゆきます。
今まで築き上げた地位が崩れ落ちる…私もココまで追い込んだコトもありますが、相当なダメージになりますね。
でも、吐いた唾を飲むような連中に情けは無用です。

最後に

個人での交渉というのは、場数を踏まないと丸め込まれてしまいます。
とにかく場数を踏むしかないんです。
この文章を読んでも、交渉に役に立つ割合は…5%もないでしょうね。
私も色々な経験をしましたが、まだまだ初心者の域を出ません。
どうしても交渉にあたらなければいけない時、一番重要で一番簡単な心構えがあります。

それは…自分が正義であると思い込むコトですねw

いかがでしたでしょうか。
役に立たないとは思いますが、もしナニかあったら思い出してみてください。
もしかしたら突破口が見えるかもしれませんw
殆どの場合は突破口は見えないですがww
では、ご健闘をwww

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