交通事故被害者になったときの交渉

 明日は我が身かもしれません

最近、交通事故の相談が連続して来ました。
そこで、交通事故被害者になったらすべきコトを記したいと思います。

交通事故発生直後

まず最初に確認するのは、ケガの有無。
そして110番・119番に電話を掛け、警察と救急車(必要であれば)を呼びます。
次に二次災害の防止のため、ケガ人と車両などをどけます。
警察が来たら事故の様子などを確認し、車両の「車検・保険類の確認」をします。
私に相談してきた一人は、自分が自転車、相手が原付で完全無保険という最悪な状況でした。
原付の無保険運行は結構居ます。
ですから、事故に遭ったときは必ず確認して下さい。
連絡先などを確認し、逃げられないようにします。
このあたりは一般常識の範囲内なので、詳しくは突っ込みません。

無保険車両との事故

コレは最悪のケースです。
自分が徒歩・自転車であった場合、普通であれば保険会社への請求ができますが、無保険車両との事故の場合、加害者に被害者本人が請求しなければなりません。
コレを防ぐ手段として、もしクルマやバイクを持っていて任意保険で「弁護士特約」というオプションを付けてあれば、弁護士が交渉に当たってくれます。
が、やはり無保険運行をするような加害者は、一筋縄ではいきません。
弁護士でも手こずります。
ですが、自分で交渉するよりは全然マシです。
もしクルマやバイクを持っているのであれば、弁護士特約は必須ですね。
私も、クルマとバイクの両方に付けています。

弁護士特約がない場合、政府保障制度というものを使います。
コレは、自賠責保険と同額の保障を受けられ、その請求は国が加害者に直接行なうというモノです。
ただし、完治後半年ほど経過してからでないとお金は出ませんので、その間の医療費などは自腹になります。
ちなみに、弁護士が交渉に当たる場合も、起訴は完治後に行ないますので、その間の仮払いなどは「その都度請求する」という面倒なモノになります。
払いの悪い加害者の場合、毎回内容証明で請求などという面倒なモノで、加害者が払い渋る場合も「根気よく」請求しなければならないんですね。
ですから、無保険車両にはねられたら、長期交渉を覚悟して下さい。
弁護士が力を発揮するのは完治後の示談交渉で、相手を起訴して損害賠償請求を行ないます。
悪質な加害者の場合、色々と汚いコトもしてきますので、絶対に「善意」を期待してはいけません。

悪質な保険会社の恫喝

自分が徒歩や自転車で加害者がクルマの場合、保険会社との交渉になります。
このときに、保険会社によっては「恫喝」で被害者を萎縮させ、ゼロ払いの示談に持ち込もうとしてきます。
特に多いのが、加害者がタクシーや運送業などで、事故による「二次損害」が出る場合です。
こういう時は、魔法の言葉が効くので使ってみてください。
魔法の言葉は…「政府保障制度を使います」という一言です。
コレで大概の保険屋は黙ります。
この魔法の言葉というのは、損害保健というものの数少ない弱点なんですね。

一見、保険との関係は無さそうに思える政府保障制度ですが、コレをやってしまうと、保険会社は信用を失墜して保険契約車からの契約解除までになります。
何故か。
政府保障制度というのは「加害者に直接請求」なんであって、保険会社は関係ないんです。
というコトは、たとえばタクシー会社であった場合、タクシー台数分の保険を掛けているんです。
その政府保障制度というのは保険を使えないという、加害者直接請求なので、何のために高価い保険を掛けているのか!というコトになるんです。
コレは個人相手でも一緒です。
チョッと恫喝したら、保険会社も加害者もナニも言ってこないから大丈夫だろうとタカをくくっている時に120万の請求が「国から」来れば、保険会社に対して怒り狂うでしょう。
そういう事態にするケド、ソレでよろしいか?という確認ですから、別に問題ありません。
保険会社相手に戦うときは
政府保障制度を使います
がイチバンです。

まぁ、2例しかあげていませんが、こんなトコロで次に進みます。

 事故直後に困るのは金銭です

さて、上記の掛け合いをする場合に一番重要なのは?といえば「お金」ですね。
安定した収入が無く…水商売などの場合が多いですが、一人暮らしの場合、そのお金を解決してしまいましょう。
何故かというと、労務不能状態で交渉に当たった場合、向こうが払い渋りなどしてきたら、ソレが長引くほど自分が追い込まれるんです。
お金が無いんですから、兵糧攻めにあったらバンザイしかできません。
ソレを防がなければ、とてもじゃないですが交渉なんて無理です。
ですから、まずは安定した収入を確保し、自活と自分で病院に掛かれるだけの環境を整えます。

というコトで、向かう先は市町村役場。
福祉課に向かい、生活保護の受給を申請します。
ただし、保護の条件を満たしていないと無駄足になります。
一回目は絶対門前払いです。
コレは門前払いでイイんです。
魔法の言葉の種を蒔くためのモノなので、素直に帰ってヤケ喰いでもして鬱憤を晴らしましょうw
そして翌日あたり…魔法を掛けに再度福祉課へ行きます。
二回目にまた門前払いを受けたら魔法の言葉を発するんです。

「生活保護申請は口頭でも成立し、二週間以内に要否通知を行なうと法律ではなっているが、前回口頭で申請した申請の要否の検討は進んでいるのですか?もし申請を握りつぶしたのであれば、刑法193条(公務員職権濫用) 1項 公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、二年以下の懲役又は禁錮に処する。の中の権利の行使を妨害にあたるというコトで告発するがよろしいか?」

と、少し長いですが、メモなどに書いて当たれば問題ないでしょう。
つまり、一回目に口頭で申請した魔法の種が芽を出すんです、二回目で。
カンタンですよね?
もし「誰に聞いたのか?」と質問されたら…というか質問されますが、サイトで見たとは言ってはいけません
知り合いの「雑誌記者の○○さん(架空の人物)です」と言うのが肝です。
「本当は弁護士だろう?」と確認してきますが、「雑誌記者です」と答えましょう。
正直な話、役所にとって厄介なのは、弁護士よりもマスコミの方が上なんですね。
なぜなら…自分が報道ベースに乗ってしまうと、もう昇進などできませんからww
ですから、この「雑誌記者の○○さん(架空の人物)」というのも魔法の一部なんですね。

このあたりの交渉例として

あたりが参考になると思います。

一つだけ問題点があって、生活保護を受けている場合、慰謝料などは「全額福祉課が持っていく」のですね。
そのあたりは…皆さんのやり方があるでしょうから触れませんw
善処してください。

 事故あったら自分の生活基盤を構築するのが第一です

さて、参考になりましたでしょうか?
自分の生活基盤がない限り、交渉は非常に難しいコトになります。
まずは収入と住居の保全を行い、あとはゆっくりじっくりと交渉しましょう。
絶対に急いではいけません。
急ぐのは生活基盤の確保だけで充分です。
というコトで、万が一の場合はこのページを思い出してみてやって下さい。