トレーニング論 〜正しいトレーニングメニューで健康な体を〜

 無茶なトレーニングは体を壊す

トレーニングというものは、運動により身体能力の向上をするモノであり、無茶なトレーニングは却って筋肉を削る可能性がありマス。

 トレーニングの前準備

トレーニングを行なうにあたり、必要なコトがある。

トレーニングの目標・目的

トレーニングを行なうにあたり、まず第一にするのは、トレーニングの目標・目的を明確にすること。
ウェイトトレーニングなのか、ロードワークなのか。
上半身を鍛えるのか下半身を鍛えるのか。
瞬発力を重視するのか、持久力を重視するのか…
コレを明確にしているかどうかで、トレーニングが効率化できる。
または、目標とする人物を明確にして、その人をイメージしてトレーニングを行なう。
この「イメージ」というのは、トレーニングの前準備で一番大事だ。

食事

トレーニングを開始する前に、食事を摂っておくコトが重要。
トレーニングのメニューに応じて食事の量と質を考慮しする。
できれば、甘いモノで消化のイイモノを選ぶ。
個人的にはバナナが一番で、次いでカロリーメイトやソイジョイなどのパワーバー系、そのあとにジェル系のカロリーメイトなどが続く。
できれば油物は避けて、炭水化物と蛋白質を多めに摂る。
コレは後に記するが、ハンガーノックを避けるため。
食べ過ぎると吐き気をモヨオしやすいので、ほどほどにしておき、トレーニング中の休憩時間に食事をする。
ちなみに、私は吐き気止めにチョコを使うが、誰でも効果があるかは判らんw

アップ

まず第一に、軽く体を温める。
衝撃の掛かるコトはせず、ラジオ体操の第一・第二をするくらいでイイ。
そして柔軟を行なう。
コレも最初は軽めにし、少しずつ負荷を掛けてゆくコトが肝要。
最終的には、人の助けを借りて行なう。
柔軟は怪我を遠のける。
相撲取りがアレだけの激しいコトをしても怪我をしないのは、この柔軟の時間を多くとるからだ。
柔軟が終わったら、軽めのステップで縄跳びなどを行なう。
とにかく「筋肉を暖める」というコト。
アップが終わると、次は本格的なトレーニングに移る。

 トレーニングの基礎

トレーニングというモノを行なう場合、必ず「基礎」を習得してから目的のトレーニングをする。

呼吸

基礎の一番は、まず呼吸。
コレを無視すると、トレーニングの効率落とす。
私の場合、まず息吹を行なってからトレーニングに入る。
息吹とは空手などで行なう呼吸法で、コレにより身体を活性化させるコトにより、軽いアップ程度を行なった様な状態にする。

  • 息吹

基本は腹式呼吸です。
足は肩幅に開き、少し腰を落とす。
拳を握り、胸のあたりで腕を交差する。
軽く呼吸をしてから、腕を腰のあたりに落としつつ拳を開き、鼻から息を吸う。
この時に腹を凹ませてゆき、横隔膜をあげるようにする。
通常であれば、息を吸うのに横隔膜を下げるコトで吸うが、息吹の場合は逆で、横隔膜をあげるようにして「腹圧」をコントロールする。
思いっきり息を吸い込んでから、さらにもう一息吸い、限界まで吸いきるコトを意識する。
次に息を吐く。
まずは腕が腰のあたりにあるのを、ナニかを押し出すように動かしながら吐き出す。
この時には、今度は口から、腹を膨らませながら吐き出す。
つまり、横隔膜が上がろうとするのを、下げるようにして「腹圧」をコントロールする。
横隔膜の運動をコントロールするコトによって、密度の高い呼吸とでもいおうか、そういう呼吸をする。
息を吐き出す時に、喉を少し締めるような感じで行なうと、よくある「コーッ」というような音がする。
そして最後まで吐き出したら、もう一息、絞り出すように吐く。
コレ1回で息吹は終了。
複数回は行なわない。

  • トレーニング中の呼吸

息吹を行い、更に軽いアップをしたら、トレーニングに入る。
この時に、ジムでの筋トレと屋外の走り込みなどでは、また呼吸が違う。
大前提として、ウェイトリフティングなどの「チャレンジ」以外に息を止めるコトは無い。

  • ジムでの筋トレ

ジムでの筋トレの場合、基本的な呼吸がある。
ベンチプレスやスクワットの場合、関節を伸ばす動作(ベンチプレスなら挙げる時・スクワットなら起ち上がる時)は息を吐き、関節を曲げる動作の時は息を吸う。
要は、負荷が掛かる方で息を吐くというコト。
たとえば柱に自転車のチューブを掛けて、背負いの動作などをする場合、コレはチューブが伸びる動作では息を吐き、戻す時に息を吸う。
ちなみに私は、普段でもモノを持ち上げる時に息を吐くクセが付いてしまっている。

この呼吸法を行なう前に、まず必要な動作がある。
例えばベンチプレスを行なう際、まず深呼吸を何度もしてからバーベルを挙げる。
どんなメニューの時でも、必ず深呼吸を何度かして、呼吸を整えてからでないと危険なメに遭う。
大袈裟なくらいの呼吸あわせで丁度イイ。

  • ロードワーク中の呼吸

呼吸はリズムよく、コレが大事。
というよりも、呼吸にあわせて運動するというのが基本。
鼻で吸って口で吐く。
スッスッハッハという感じで、時々深呼吸を混ぜながらリズムよく呼吸をする。
ジョギングならステップごと、自転車ならケイデンスに応じて。
とにかく酸素を取り込むコトを念頭に入れ、リズムよく「キチンと肺を使い切る」コトが肝要。
ジムでの筋トレでも触れているが、呼吸のリズムというのを無視すると痛いメにあう。

筋肉を使う

トレーニングの目標・目的のところで書いたが、まずイメージをするのが大事なコト。
どういう身体になりたいのかを、まずイメージして、そして、その「なりたい」身体になるには、どの筋肉を使うかというのが、非常に重要な要素となる。
極端にいえば、腕を鍛えたいのに腰を鍛えたりなどという間違いも有り得るというコト。
トレーニングというのは、解剖学的な筋肉の構成の知識が必要になる。
たとえば、自転車が判りやすい。
自転車によって鍛えられる筋肉は、太ももから足先までだと思っている人が多いが、実は腰が重要になる。
脚部の各筋肉に加えて、腸腰筋・外腹斜筋・広背筋あたりまで、かなりの範囲をカヴァするトレーニングになる。
コレは、ペダリングという特殊な運動に由来する。
ペダリングというのは、クランクを「回す」コトであり、例えばキチンとペダルとシューズを固定する場合、前に「蹴り出して」後ろで「引き上げる」という筋肉の動作になる。
この時に、普段は使わない筋肉の使い方をするので、自転車によるトレーニングというのは下半身を鍛えるのに理想的なモノになる。
また、ジョギングと違って、ヒザや足首に衝撃によるダメージを与えないトレーニングができる。
自転車によるトレーニングの最大の利点はコレであろう。

上半身を鍛えるのにも、鍛えたい筋肉を「積極的に使う」コトで、イメージどおりのトレーニングになる。
大胸筋を動かす!という意思をもってトレーニングすれば、キチンと大胸筋が鍛えられる。
トレーニングのメニュは、このイメージに合致するモノを選ぶというコト。
とにかく、イチバンは「意志を以て筋肉を使う」のが基本。

休憩

トレーニングで、イチバン忘れがちなのが休憩だ。
コレは非常に重要な要素である
まず、なぜ休憩が必要なのかを考えてみる。
ひとつは、筋肉中に溜まった乳酸を少しでも排出するというコトで、コレは深呼吸しながらアップのときのような「負荷の掛からない」運動をするコトで達成される。
乳酸が溜まると、筋肉の疲労というのが激しくなる。
深呼吸をしながら軽い運動をするコト(腕を動かしながらながら歩く程度でイイ)で、その時点で溜まった乳酸を排出し、また、次のメニュに移れるように、筋肉を「冷ましきらない」というコトをする。
また、汗をかくことで排出された、水分とナトリウムを補給する。
この時に、個人的にはスポーツドリンクとバナナを摂りたいと思う。
バナナというのは非常に理想的な食品で、ヘタにパワーバー系を摂るよりも、バナナの方が「欲しい栄養素」が全て含まれているのでイイ。
個人的な意見だが、私の食事メニュは「卵・種・実」を基本としている。
コレらの優れた点…というか他の食品との違いは、例えば卵なら「孵化するまでの必須栄養素が全部含まれている」というコトで、つまり、この卵ひとつで「ヒヨコまで育つ」というコト。
そう考えると、様々な栄養素が必要なだけ備わっているというワケで、コレは種や実も一緒。
成長に必要な栄養素がバランスよく含まれている。
というコトで、私は「実」であるバナナを補給食にする。

メニュを消化したら

最後に軽い負荷を掛けて、とにかく深呼吸をしながら体を「ある程度」冷ましてやる。
コレは少し長めにとる。
できれば15~30分以上。
なぜなら、筋肉中の乳酸を排出するため。
負荷が少しでも掛かっていれば乳酸は排出されるが、負荷無しではなかなか排出されない。
コレをやるのとやらないのでは、翌日の疲労が全然違う。
基本はゆっくり「運動しながらクールダウン」というコト。
よく筋トレは筋肉痛になりやすいというが、キッチリとアップ・呼吸・休憩・クールダウンを行なえば、筋肉痛にはほとんどならない。
もし筋肉痛になったとしても、3日続ければおさまる。
筋肉痛になる人は、最後のクールダウンをしていないのではないだろうか?
筋肉が火照ったままでシャワーを浴びたりせず、キチンとクールダウンをしてからシャワーなら、筋肉痛にはならない。
事実、私は激しい筋肉痛になったコトがない。
専属のトレーナがいたのでw
その専属のトレーナはもう他界したが、私の父。
実績は「全新日鐵ボディビル大会で3位」という記録しかないが、この父からトレーニングと食事メニュを教わり、今でも実践している。
私はボディビル系の筋肉の作り方をしないが、トレーニングメニュや食事を自分なりに組めているのは、やはり父から叩き込まれたモノが大きい。
ちなみに、このトレーニング論という文章にも父の受け売りが多いw
というコトで、必ずクールダウンをする。

禁止事項

バーベルによるベンチプレスを、誰も見ていないところで行なうのは禁止w
タマにコレで死人が出る。
ベンチプレスをやっていて、あげられずに喉・胸骨を圧迫して呼吸困難で死ぬコトがあるっつぅコト。
必ずアシストを付けるコト。
というよりも、ウェイトトレーニングにはアシストをつけるのが基本。
そういう事故を防ぐのもメニュのうち。
独りベンチプレスは別として、スタンド状態でのトレーニングの関節に掛かる危険性は目線で防げる。
必ず「上を見る」というコト。
目だけじゃなく、胸から上を全て「見上げる」ような姿勢で行なう。
コレにより、背筋が伸びて腰の角度が適正になる。
ウェイトリフティングの大会など見れば、この姿勢になっているのが判る。
つまり、ああいう極限状態では、胸から上を見上げる姿勢が最も安全だというコト。
普段のトレーニングで、コレを疎かにしてイイはずがない。
腕立て伏せも、必ず「アタマを起こす」というのを行なわないと、へっぴり腰になる。
腹筋はアタマを真っ直ぐにし、後ろで組んだ腕を後頭部に添える。
つまり、危険な姿勢は「アタマが下を見た状態」だというコトになる。
見ていると、結構コレがいる

軽いダンベルならイイが、重いモノを座った状態で使うのも腰を痛めるのでダメ。
同じく腰で、へっぴり腰は腰を痛めるのでダメ。
腕のトレーニングで、肘を伸ばしきらないのも、肘が曲がった状態で固定されたクセがつくのでダメ。
同じく、ヒザもキッチリ伸ばさないのはダメ。

自転車なら交通事故に気をつける。
公道でトレインを組むのはイイが、先頭交代をするのは危険なのでダメ。
公道でDHバーも危険なのでダメ。

オーバーワークとハンガーノック

トレーニングには、筋肉量などにより運動量を適正にする必要がある。
コレを無視してオーバーワークを行なった場合、どういうコトになるのか?
まず、基本中の基本として、筋肉が動く理由を考えてみる。
筋肉中にはATPという物質がある。
このATPがATPアーゼによって分解されてエネルギーとなり、筋肉を動かすコトでエネルギーを使う。
また、このATPはATPアーゼにより「脂肪から」作られる。
つまり、ATPアーゼ(酵素)というのは、ATP分解酵素とATP合成酵素があるというコト。
面倒なのでATPアーゼとして括るが、違いは文章の脈絡で読み替えられると思う。
つまり、脂肪は筋肉を動かすためのATPになる前…貯蔵庫だと思えばイイ。
また、血中の糖分などもATPになる。
この筋肉中のATPは、運動強度にもよるが、数十分で使い切られる。
この状態になると、ATPアーゼが血液中の糖分や身体についた脂肪をATPにして筋肉に届け、ソコでATPが分解されてエネルギーとなる。
この「脂肪からATPを作る」というのは時間が掛かるので、脂肪が消費されるのは殆どが「運動が終わったあと」であり、どちらかというと、筋肉の超再生の時に使われる方が多い。
つまり、この時に使われるのは血液中の糖分などに由来するモノが大勢を占める。
さて、では血液中の糖分が少ない状態で、運動中に筋肉のATPが消費されきった場合、ドコからエネルギーを取り出すのか?
答えは「筋肉を分解してエネルギーにする」という「自己消化」というコトをする。
つまり、オーバーワークでは筋肉量が減るというコト。
また、血中の糖分などのエネルギーが枯渇した場合、コレはハンガーノック(飢餓状態)というのだが、この時も筋肉を分解してエネルギーにする。
もちろん、血中の糖分などが無くなるので、低血糖になり、アタマも働かなくなる。
こうなると、とにかく血糖値をあげるのに、糖分の高いモノを食べて飲んで1時間くらい休まないと危険だ。
オーバーワークとハンガーノック、共に筋肉を自己消化してしまうので、「食事」の項で書いたように、とにかく事前の栄養補給とトレーニング途中での補給が重要。
自転車ロードレースなど見れば判るが、選手は走ってる最中に結構モグモグ喰っている。
アレはハンガーノックを防ぐためでもある。
ちなみに、自転車ロードレースの補給だが、たとえばジャムをたっぷり挟んだパンやパワーバー系などの超高カロリーなモノだ。
たまに、ステージレース(ツールなどのように複数日にわたるレース)を終えると、体が太っていたなどというハナシもあるくらい、高カロリーな補給をしている。
私もハンガーノックになったコトがあるが、その時は「事前の食事無し」で走ってしまったとき。
フラフラになりながら高カロリーなジュースをガブ飲みし、しばらく休憩するコトで回復したが、アレは辛かった。

というコトで、オーバーワークとハンガーノックは「絶対にダメ」なので注意が必要。

筋肉の超再生

筋トレをすると、筋肉が大きくなる。
コレは筋肉の「超再生」という現象による。
どういうコトか?
筋肉を使うと(語弊を恐れずに言えば)筋組織が「傷む」のだが、コレが治る時に、元の筋肉より大きくなる & 筋細胞が増えるという「超再生」という現象が起こる。(ちなみに、筋肉の組織が「切れる」と肉離れというケガになる)
この超再生により、体が鍛えられるワケだ。
この時に必要なのは蛋白質と各種金属類だ。
つまり、筋肉を付けたければ蛋白質を摂るのが肝要。
私は貝柱とササミを使う。
他にサプリメントも摂るが、基本は脂肪の少ない筋組織を摂っている。
この筋肉の超再生の前段階である、筋肉を鍛える段階での運動が、筋組織の性質を決める。
例えばウェイトトレーニングを行なった場合、一ヶ所に集中して超再生が起こるため、太いが固い筋肉になる。
逆に、複数の筋肉を使う場合は、超再生が分散されて起こるため、細くて柔らかい筋肉になる。
この場合の固い・柔らかいというのは、筋組織のカタマリの違いであって、細胞レベルでは殆ど違わない。
つまり、ウェイトトレーニングで柔らかい筋肉を作るコトも可能だというコト。
軽いオモリ負荷での運動…腕や足などにウェイトリストバンドなどをつけて、超スローなシャドゥボクシングや腿上げ動作をするというのもアリなワケだ。
トレーニングに基礎と禁忌はあっても、応用はいくらでもきく。
各々考えてやるのもオモシロいと思う。

禁忌

絶対にやってはいけないのが、薬物を摂取した状態での運動となる。
たとえば総合感冒薬(風邪薬)や抗アレルギ薬、咳止めや点鼻薬などを摂取してのトレーニングは、絶対にやってはいけない。
命に関わる。
上記薬物は抗ヒスタミン剤や麻黄由来物質などが含まれ、前者は血管を収縮させる作用があり、最悪の場合、血圧が上がりすぎて血管が破れる場合がある。
後者は血圧があがるので、コレも一緒。
また、コレらを摂取した場合に、身体の水分が不足しているのに気付かず、無自覚のうちに脱水症状となり、最悪の場合死に至る。
実際、1967年ツール・ド・フランスで、7月13日にモン・ヴァントゥにてトム・シンプソンが死亡している。
原因は諸説あるが風邪薬説とアンフェタミン説がある
つまり、上に挙げた抗ヒスタミン剤や麻黄由来物質のどちらも危険であるという証左である。
私は薬物過敏症なので上記物質の服用ができないが、一度だけタバコを吸った直後に点鼻薬をさしたところ、見事に不整脈を起こして倒れたw
正直、たまに数秒間心拍が無くなったりしていたので、死を覚悟したww
コレが運動中であれば、恐らくは死に至っていたであろう。
個人的にはカフェインもマズいと思う。
カフェインは多くの興奮性物質と同じく、強い利尿作用がある。
つまり、脱水症状になりやすい状態になるというコト。

というコトで、トレーニングに薬物は禁忌である。