グレ釣りのラインの選び方

釣りとは本来鈎とハリスで釣るものだ

魚釣りで一番大切なのはナンでしょうか?
そうです、鈎とラインです。
今回はラインについてです。

冒頭に述べたように、釣りというのは鈎とハリスだけで成り立つモノなんです。
その仕掛けを操作し易いようにするモノが竿です。
鈎・ハリス・延べ竿が揃えば、多くの魚は釣れますね。
しかし、コレではひとつ問題があります。
竿の長さ+α以上の先にしか仕掛けを投入できないんです。
ですからリールという糸巻きと、長い道糸ができたんですね。

ハリスに求められる性能と、道糸に求められる性能は違います。
まずはハリスから。
ハリスというのは「鈎を保持して切れない」コトが命です。
丈夫さが求められるんです。
ですから、最近は根ズレに強いフロロカーボンハリスが主流になっているんです。
フロロカーボンハリスのイイところは…
1.根ズレに強い 2.シャキッとしている 3.重い

というトコでしょうか。
逆に悪いところは…
1.ナイロンに比べて高価い 2.伸びない 3.重い

くらいですね。
重いというのは、メリットにもデメリットにもなるんです。
まぁ、釣り方によってなんで、ココでは触れません。

一番のメリットはやはり、根ズレに強いというコトですね。
ナイロンのハリスに少し傷を付けて引っ張ってみましょう。
すぐプチンと切れるハズです。
ではフロロだと?
切れませんね、なかなか。
傷が入ったナイロンは、引っ張り方向に弱くなります。
傷が一気に裂けて破断するんです。
フロロだと、半分まで傷が入っても、その半分の強さを維持するんです。
つまり、一気に破断しない。
コレは磯釣りにはもってこいですよね。
どうしても根やら貝などでスレますから。
まぁ、スレたラインでいつまでも釣りをするのは賢明じゃありませんがw
勘違いしないで欲しいのは、引っ張り強度はナイロンもフロロも変わらないんです。
ただ、スレた時に強いってダケです。

次にシャキッとしているというのがあります。
どうしても糸巻きに巻いている以上、巻き癖が付きますね。
巻き癖が付いたフロロハリスを両手で引っ張りながら、親指で弾いてみてください。
見事に巻き癖がとれますねw
コレがナイロンハリスだと、こうはいきません。
私が対象魚としているグレは、フカセ釣りという方法で釣ります。
この時に、巻き癖のあるラインだと食いが悪かったりアタリがハッキリ出ないなどの不都合があるんです。
そういう時こそフロロカーボンハリス。

さて、デメリットである「伸びない」ですが、コレは意外に重要です。
リールの話の中で木を釣る例を出しましたが、道糸を結んだ時に、道糸が伸びきってから鈎が伸されると書きましたね?
伸びるというコトは、ソレだけ力が逃げる(エネルギーが分散する)というコトなんです。
伸びないハリスというコトは、ハリスに掛かる力はマトモにライン全体に掛かるんです。
そして、その力が集中する場所ができます。
鈎やサルカンの結節部です。
結果、強度以上の力が加わると鈎が伸されるか結節部が飛ぶか、どちらかになります。
ですから、ハリス以外の場所で力を逃がしてやらなければなりません。
そうです、道糸です。

道糸に求められる性能は、
1.水切れの良さと難吸水性 2.視認性 3.伸びとしなやかさ

に集約される。
まず水切れの良さと難吸水性だが、水切れの悪い道糸は、どうしても竿に貼り付き易い。
竿に貼り付くと、糸の出の悪さと捌きづらさに直結します。
竿の表面状態が悪くても同じ状態になるので、道糸のチョイスとともに竿表面のワックス塗布などで貼り付きを防止するしかありません。
最近の道糸はコーティングされているのがほとんど(除・安物ボビン)で、ついでに視認性の良さを目指して色付けされているのがほとんどです。
色は、白・ピンク・オレンジが多いですね。
ただし、ピンクの道糸はフグが寄り易いです。
私もピンクの道糸を使ってマスが、仕掛け投入と同時に道糸にフグが群がって、そのまま噛み切られてウキ以下仕掛けを流された経験があります。

次に一番大事な伸びとしなやかさです。
道糸を両手で引っ張ると、思いのほか伸びるコトに驚くと思います。
この伸びが、鈎とハリスに掛かる力を逃してくれるのです。
勿論、竿のコシとリールのドラグ性能も関係します。
すべてはバランスなんですね。
一番注意しなければならない瞬間は、やはり取り込みの時でしょう。
一番道糸が出ていない時ですから。
道糸が出ていれば出ている程、伸び代は大きくなります。
しかし、取り込みの時は道糸がほとんど出ていないので、竿のコシのみで魚を支えるコトになります。
ですから、魚が暴れないように、竿のコシで魚の顔を水面から出し、空気を吸わせておとなしくさせるんです。
魚というのは、空気を吸うとおとなしくなるんですよ。
ただ、ココでミスるとまた魚が暴れだし、バラシにつながります。
ですから、ドラグは緩めておいてスプールを指でで抑えて支えるのがイイかと。
いざ暴れだしても、ドラグが緩んでいれば力は逃げますから。
スプールは締め込んであると、大抵は結束部が飛んで終わりです。

何度も言いますが、全てはバランスなんです。
弱い仕掛けに強いところを作ってはいけないし、強い仕掛けに弱いところを作ってもいけないんです。
鈎・ハリス・道糸・竿・リールのドラグ性能

全てがバランスして、極端に強いところも弱いところもないのがタックルバランスなんです。

もちろん、結束の種類(結び方)も大事です。
電車結び・クリンチノット・ダブルクリンチノット・漁師結び…色々な結び方があります。
経験的に、電車結びとクリンチノットは弱いですね。
個人的にオススメは漁師結びです。
サルカンに結ぶ場合、サルカンの輪に3回通して2つの輪を作ります。 その輪に2回通します。 メインのラインを7・サルカンを2・余り糸を歯でくわえて1の力配分で結びます。

カンタンで強い結び方です。
ただし、道糸は結束部でスベリを起こし易いので、尻尾を5mmくらい残します。

さぁ、コレでラインまでは終わりました。
最後に残るのは…鈎ですねw
コレが無くては釣りになりません。
ではではw