グレ釣りの潮の読み方

潮の見方で釣果がかわる!

釣りは潮に始まり潮に終わると言っても過言ではないです。

 まずは干満

釣りに於いてイチバン重要な要素はです。
潮と一言でいっても、様々な要素が絡み合っていて難しいと思います。
そこで、まずは潮見表を活用しましょう。
この潮見表というもの、釣具屋であれば絶対に常備していますし、出入り口などに貼り出してもいます。
潮見表に書かれているものは
旧暦 月齢 潮名 最干潮時間 最干潮水位 最満潮時間 最満潮水位

などですね。
どれが重要でどれが重要でないか…はありません。
全部重要です。
まず判りやすいように、旧暦の見方を覚えてしまいましょう。
旧暦というのは月に連動して(太陰暦)作られたもので、潮の干満というのは月の影響が最も大きいため、グレゴリオ暦(太陽暦)は無視して考えます。
ちょっとシャレた暦であれば、必ず旧暦が書かれているハズです。
だいたい、月初(新月)月中(望月)が大潮、その中間前後が小潮となります。
月齢は、コレをさらに詳しくしたもので、新月を起点として次の新月までを齢として表したものです。
コレらを見ることによって、だいたいの潮の様子が想像できます。
小潮の前後を若潮などとも言いますが、最初のうちはソコまで細かく覚える必要はありません。
大潮であれば干満が大きいので、潮が変化しやすいとか、小潮であれば変化が少ないのでダラダラした釣りになりやすいなどと予想ができます。

さて、上記のモノは数日間~一ヶ月というスパンでのハナシです。
次に、一日のうちで潮の変化を見てみます。
満潮時間・干潮時間・それぞれの水位というのが一日の変化です。
最干潮・最満潮の潮止まり時間というのは、私の経験上、喰いがシブくなりやすい時間です。
だいたい最干潮から三分あげの時間と最干潮まで七分さげの時間、最満潮まで七分あげの時間と最満潮から三分さげの時間が私にとってイイ時間帯です。
要は、潮が本格的に動き始めてきた頃が最高の時間なんですね。
私は朝マズメ前(04:00前後)から釣りを始めますので、その時間に最干潮が来るのが最高の潮です。
三分ほどあげてきた時に日が昇るのを狙うワケですね。
そういうときは、大概大モノが朝日が昇って一発目に掛かってきます。
さて、この最干潮・最満潮というのは、一日に二回づつきます。
片方は大きな変化、もう片方は小さな変化です。
朝マズメに大きな変化が重なって、午後の二回目の変化が小さいというのが私にとって理想的です。
私はiPhoneに潮見表PROというソフトを入れて、ソレで潮の判断をしています。
有料アプリですが、とても役に立っています。
画面はこんな感じです。

釣り場によって、あげてくると喰わない・さげに掛かると喰うなどというクセがあったりしますので、そのあたりは各々で判断してください。

ココまでは、釣り場に行く前の段階です。
釣り場に着いてから潮見表を見ていては遅いですw

 釣り場の潮

釣り場に着いたらまずするコト…といえば潮読みです。
色・温度・流れ・水深・天気・風…様々な要素があって、なおかつソレがリアルタイムで変化しているのが海の潮です。
私の場合、まず表層の温度を知るためにバケツで水を汲んでみます。
普段より極端に冷たいようなら、釣らずに帰るコトもありますね。
そして濁り具合やウネリの大きさ、大まかな流れを確認します。
水中の様子もおおまかに確認して、良さそうであれば次の行動に移ります。
そう、状態がよければ、コマセを作るんです。
そしてコマセを何ヶ所かに打って、コマセの効くところを探したり、沸いてくる魚の種類を確認します。
私の場合、コマセの作り方が純粋なグレ用ではないので、軽いコマセと重いコマセを混ぜて、なおかつ養鶏用飼料など粒状のモノも使うので、コマセだけでも潮流れを「ある程度」把握できます。
私のホーム釣り場は、釣り座から沖を見て右から左に大きな流れがあります。
そしてテトラにぶつかって、沖に払い出すカタチになるんですね。
ですが、私が構える釣り座はテトラ帯の潮上末端付近なので、そのあたりに潮溜まりが出来やすいんです。
ソコにコマセが効くので、ソコで一日中釣りに掛かるんですね。
コマセが効くポイントですが、少しウネリが大きいかなぁ…という時は一目瞭然です。
泡が溜まって動きません。
軽めの仕掛けでソコをネチネチと攻め続けます。
コマセもチビチビと打って長時間効かせ続けます。

 大まかな潮流れ

言うまでもありませんが、釣り場の潮は常に流れています。
先ほども書きましたが、私のホーム釣り場は沖を向いて右(南目)から左(北目)へ流れています。
沖に黒潮が流れているので、そうなっているのでしょう。
ところが、時々コレが流れないコトがあります。
接岸していた黒潮(&黒潮支流)が沖に出たんじゃないかと考えています。
そうなると、どうしても釣果が悪い方向にいってしまいます。
ボラが沸いてチヌも出てくるんです。
そうすると、どうもグレは喰ってきません。
何故なんだかは判りませんが、経験則として「潮が止まるとグレが喰わない」と感じています。
シモリの際をタイトに攻めても、掛かってくるのはベラばかりw
たまに餌を盗られるが、ウキにアタリが出るほどの動きをしないために釣りあげられず。

潮は、この大まかな流れが(=マクロな流れ)基本になります。
この潮のとおりがイイ釣り場は、非常にイイ期待が持てます。
逆に、奥まっていて潮が淀んでいる場所は、ナニかの事情が無い限りは期待できません。
ナニかの事情とは、水産加工場の排水が流れ込んでいるなどですね。
私的にこういうトコロは、朝・夕マズメの勝負で大モノを狙います。
マズメ以外では、その近くで潮通しのイイ所を探して中型相手に遊んでいます。
ただ、水産加工場下で掛けた魚は臭いがキツいですねwww
潮通しの善し悪しは、GoogleMapの航空写真モードで「ある程度の予測」ができます。
潮通しで個人的に好きな地形はというと、
外洋に面している 比較的海岸線がフラットな地形だが、所々ハナ(出っ張った半島状の地形)がいくつか出ている ハナの間 or 近くに島(沈まない根)がある

という感じで探します。
さらに
竿1本より先になると急にドン深 島でサラシが出ている ワンドに裂け目があって波がスゴい勢いで出入りする

という地形であれば、尚更イイですね。
私が人に教えないポイントは、ほとんどコレらに該当します。
大まかな流れは、こういう場所だと乱流(=ミクロな流れ)を起こすんですね。
この乱流がミクロな流れ = 釣り場特有の読むべき流れなんです。
つまり、大まかな流れから別れた潮が、釣り場の潮を作り出すんです。

 釣り場の流れ

さて、やっと釣り場の潮です。
私のホーム釣り場の写真を見てください。

写真撮影時の天候は晴れで風は向かい風(北東の風)、2m~2.5mのウネリです。
釣り座は海面から5mチョイです。
写真は防波堤テッペン(カメラの視線は海面から7m弱)です。

上の写真は潮上、真ん中の写真は釣り座左手のテトラ帯末端、下の写真は沖の様子です。
潮上の磯の方が釣れそうに見えますが、水深が1ヒロチョイしかないので釣りません。
この磯の向こう側は水深もあって魚影も濃いのですが、バッカンやクーラーを持って移動するのが面倒なのでパス。
次に釣り座左手のテトラ帯末端は、中型のグレが多く隠れています。
この撮影日のようなウネリが2mくらいある場合は、ココでサラシが出るので、サラシにコマセを打って沖目の魚を寄せたりします。
そして沖の写真ですが、かなり沖のトコロに潮の色が緑っぽい感じから青っぽい感じに変わるところが判ると思います。
この緑っぽいトコが、あって水深3ヒロの砂地でシモリが散在しているトコロです。
遠投カゴ釣りで沖目を攻めると、30cm代のグレがバカスカ釣れます。

さて、重要なのは以下の写真です。

コレ、足許を撮ったモノです。
白い泡が写ってますが、この泡はほとんど移動しません。
つまり、この泡近辺は「潮がほとんど止まった状態」なんですね。
酷いときになると

のような状態になります。
こういう場合は、泡の際を狙う感じで釣りにかかります。
泡の中にウキをブチ込んでも、泡のせいでウキが見えませんし、ゴミが混じってるのでトラブルが増えるだけです。
ただし、ホントに泡の際を攻めれきれれば、よい釣果が見込めます。
泡が出てたら、心してかかってくださいw
こういう場所にコマセを投入すると、結構長い間コマセが効き続けます。
おそらくは、複数の流れがぶつかって出来るモノだと思います。
さらに重要なのが、泡近辺に見えている黒や茶の影。
コレはシモリなんですが、シモリの近くにコマセが効き続けるというのは非常に理想的です。
ただし、こういう場合は非常にタナが上ずりますので、風さえ良ければ軽い仕掛けで釣るのが効果的です。
ちなみにこの写真を撮影した日は、結構な風速の向かい風で軽い仕掛けだと入っていかないのと、風に依って上潮が滑っていたので、キザクラのR-SHOT(写真に写っているのは水深が無い時に使っていたプロスリーです)に水中ウキとガンクッションを使った釣りをしました。
ソレでも仕掛けが入っていかないので、コマセに軽い成分を混ぜてタナを上ずらせ、なんとかシブシブながらもキープサイズのグレが10枚チョイとサンノジを2枚あげました。
潮が判らない時は、動かない泡を攻めるのが定石です。
動かない泡を攻めるときに、実は非常にイイ副作用があるんです。
ソレは、コマセが効き続けるのと関連するんですが、グレをいう魚は、小さいモノからシモリより出てきて、小さいモノからシモリに戻るんですね。
つまり、コマセを撒いて少しおいてから仕掛けを投入します。
たったコレだけのコトで、煩わしいコッパグレを避けられるんです。
ただし、この釣り場の様な「判りやすい場」でないと通用しませんが。

沖の瀬に渡ったりした場合は、とにかくコマセと刺し餌の同調という「基本中の基本」で攻めます。
私の場合、コマセの組み方として「重い成分と軽い成分を混ぜる」というのを徹底しています。
潮流れが複雑で速い場合、コマセの帯を広くとってやる必要があるためです。
でないと、コマセと刺し餌がなかなか同調せず、あさっての方向で釣っていた…なんていうコトになりかねないからですね。
沖の瀬では、釣りに入る前に必ず少し離れた所から場を見渡します。
ドコにシモリがあるか、ドン深の場所はドコか、サラシはドコでどういう出方をするか…とにかく仔細にわたり観察します。
そして一旦空鈎で流してみて、仕掛けの挙動を観察します。
そしてコマセを打ってみて、流れる方向や散り方を確認します。
必ず、仕掛けとコマセの両方を確認します。
コマセは素直に潮に乗っていきますが、仕掛けはラインなどの抵抗がありますので、素直に潮に乗りません。
ですから、両方を確認して自分で調整するんですね。
ちなみに私は、全遊動の仕掛けを全く使いません。
必ずウキ止めを付けます。
最近は全遊動全盛のようですが、実際にやってみると、かなり広いエリアを釣るカタチになり、一番グレを釣りやすい「島と島のあいだの水道」では却って釣りづらいんです。
私は足許釣り専門なので、キザクラのグレサーキットにカット水中(先日流しました…涙)にハリス1ヒロなんかを使うんですが、やはり潮のぶつかってくる乱流の中で釣りきるには、底潮をいかに掴めるかが問題になってきます。
乱流で尚かつ二枚潮という厳しい状況で、更にグレが逃げ込むシモリが沢山ある釣り場では、瞬間的に反応しなければなりません。
瞬間的に反応するには、水中の様子をいかに読めるかに掛かってきます。
あくまでも私の経験則ですが、餌盗りにやられた場所に良型が多いです。
餌盗りといっても、実はその餌盗りはグレで、しかもなんと良型なんですね。
ですから、そこの場所でそのタナに、いかに仕掛けを流せるかが腕の見せ所です。
そういう時に使うのが水中ウキなんです。

 潮を掴む

よく勘違いしている人がいるのですが、水中ウキの働きはウキの無駄な流れを防止するコトが重要なんですね。
要はアンカーです。
上潮が滑って底潮と違う流れをした場合、大抵の魚は底潮で喰ってきます。
そのときに、ウキが上潮に乗ってしまってあさっての方向に流れてしまった場合、コマセと分離した流れになってしまいます。
たとえば、上潮が右から左に流れているのに底潮が止まっているという想定をしてみます。
この場合、コマセはまず上潮に乗って流れて斜めに沈みながらから底潮に達して、ソコからは垂直に沈む動きになります。
ココでナニも考えずに仕掛けを作り…例えば軽い仕掛けで長ハリスというオーソドックスな構成の場合は上潮に流されて仕掛けのタナ設定が浅くなるんですね。
軽い仕掛けというのは、流れの中では仕掛け全体がフケて浮き上がるんです。
鯉のぼりが風に乗るのと似た様な状態です。
そうすると、仕掛け全体の表面積というのは、ウキとウキ下のラインで表面積が同じくらいで変わりませんから、全体が上潮に乗って底潮と関係ない方向に流れてしまいます。
ラインの表面積というのは、意外に大きいんです。
そこで、ラインの表面積と同じか、ソレ以上の表面積を持つ水中ウキを付けてウキの制動するんです。
水中ウキの役割はアンカーなんですが、上潮が滑る方向によっては、刺し餌先行ではなくウキ先行になります。
そこで、ウキの様子を見ながら引いてみたりして刺し餌先行にします。
この「引く」という動作によって、ハリスのタナが若干あがります。
イイ方に解釈すれば、誘いをかけているのと同じです。
結構この時に喰ってくるコトが多いんで、よく注意しながらラインメンディングをしましょう。
水中ウキを選ぶ場合、とにかく「大きいモノ」を選べば間違いないです。
若しくは形状が複雑なものですね。
要は、表面積が大きければナンでもイイんです。
私は黒檀でできた環付きと中通しを2個ずつと、キザクラのD-WINとディンプル水中を使っています。
他に、メーカ不明の安売品を20個ほどw
お気に入りだったカット水中は、先日高切れで海の藻屑と消えました…(涙
ちなみに、水中ウキを付けると引き込み抵抗で魚が餌を離すという人もいますが、私はコレといって問題を感じていません。
水中ウキは遊動ですし(上ウキと水中ウキのあいだにガンクッションなどもいれるので)、使うのは荒天で二枚潮の時だけですから。
ちゃんと仕掛けを張って流せば、アタリはキッチリ出ます。
二枚潮以外では、どうしても喰い渋っているときに、水中ウキと矢引きハリスでシモリのギリギリやシモリの上を攻めるコトもしますが、ちゃんと釣れてくれます。

 サラシを攻める

さて、グレ釣りで重要な潮の要素として、サラシがあげられます。
判らない方に説明すると、上の写真にいくつか写ってますが、サラシというのは「波が岩などに当たり、泡で真っ白の状態」ですね。
グレ釣りというのはサラシを攻めるコトが多いです。
しかし、困ったコトにサラシの中は乱流で、しかも泡のせいでウキの浮力が充分に得られないという性質があります。
このようにサラシというのは、場によって毒であり薬でもあります。
私が沖の瀬での釣りに出る場合、島や大きく浅いシモリに挟まれた水道を選びます。
そして、攻めるのはサラシの近辺。
まずコマセをサラシに打ち込み、次に本命ポイントにコマセを打ちます。
サラシにコマセを打つ理由として、乱流で撹拌されたコマセがサラシ際に効くように、そしてコマセが広範囲に散って魚を寄せるようにという理由です。
そして本命ポイントは、状況によりますが、サラシの手前側のコマセが効きそうなポイントです。
要は、広く薄く散ったコマセの中にコマセが濃いポイントを作るというコトになります。
サラシ際を攻める場合、通常であれば長ハリスを流れにのせて仕掛けを組むのがメジャーかと思いますが、私はウェイトスイベルや水中ウキに短ハリスを使うコトが多いです。
理由として、サラシの流れというのは見た目以上に速いので、長ハリスでは仕掛けがフケ上がってしまうのを嫌がってのコトです。
しかも、仕掛けが入っていかないコトが多いので、ある程度の重さと、できるだけ潮を掴ませて仕掛けを早く馴染ませるために、水中ウキを使うんですね。
このとき、ハリスは矢引~1ヒロくらいで、口オモリもG4くらい打っています。
上ウキは残浮力の大きいモノ、水中ウキは表面積が大きいモノ、あいだにガンクッションを入れておきます。
とにかくサラシの際に残っている乱流に負けず、タナをきちんととれるように、また、上ウキと水中ウキのあいだが常にキチンと張っているようにというコトを、また、短ハリスは仕掛けのフケ上がりをできるだけ少なくするためにという理由です。
沖側の島やシモリでサラシが出ている状況での釣りの場合…というより、普通はほぼ沖側を向いての釣りになると思います(私は沖を見ない釣り場では絶対に釣りません)が、真っ正面からシモリを攻めるのではなく、左右どちらでも自分のほうに来ないで払い出す流れを掴ませて仕掛けを馴染ませます。
この時に効いてくるのが、サラシに打ったコマセです。
サラシのまわりで喰ってくるタナをあげるんですね。
あとは仕掛けの潮上に本命コマセを打って、ラインメンディングをして、アタリを待ちます。
ココで重要なのは、上ウキの残浮力です。
乱流が残っていますから、キツい沈み潮や湧き潮が出ます。
その場合、ウキがアタリでないのに急にシモったり、逆に仕掛けの重みが抜けてフラついたりします。
こういうとき、どうしようもない場合は重い仕掛けに替えてしまいます。
0.8号や1号のウキにウェイトスイベルを付けて一気にタナまで仕掛けを沈め、強制的に仕掛けを張ってしまいます。
ウェイトスイベル直上にガンクッションなどを使い、ソレとラインに掛かる潮の負荷のみで若干フケさせます。
私はもともと短ハリス(普段は1ヒロ程度)派で、ウェイトスイベルや水中ウキでタナまで一気に沈めて、V字になった仕掛けのハリス(口オモリを打ってあります)が落ちるのを待つスタイルですので、同じようなスタイルで少し強引な釣り方でサラシ際も攻める感じです。
サラシを攻めるときは、ラインの号数も落とします。
普段がハリス3号・道糸4号なら、ハリス1.7号・道糸2号やハリス2号・道糸3号なんかですかね。
余程の大モノでも掛けなければ、固すぎる竿と締めすぎたドラグでない限り、1.7号・2号の組み合わせで充分な強度が出ます。
実際に30cmチョイの尾長や40cmチョイのバリでもあげてますから。
ラインの号数を落とすのは、ラインを細くするコトで水中の抵抗を軽減するためです。
逆に、仕掛けがフケてでも潮に乗せたい場合は、ラインを太く長くして潮噛みを良くします。
あるいは、水中ウキとハリス30cm程度の超短ハリス仕掛けにして、探り釣りのような方法もとります。
すべては状況に応じて行ないます。
ただ、やはりサラシの下を狙う感じで、残浮力の大きいウキにウェイトスイベルやガン玉で仕掛けを一気に沈めて、ラインの抵抗でフケるのを利用するのが一番簡単ですね。
この場合、若干重めの口オモリを付けてフケを調整するのが一番確実かもしれません。
ただ、個人的には、サラシのド真ん中に仕掛けを投入するよりも、サラシの脇で釣るほうが成績がイイです。

 初心者がよくやるパターン

私がよく見る光景なんですが、最初から沖を攻める人が非常に多いです。
普通は足許から攻めはじめて、だんだん沖にポイントをズラしていくのが定石なんですが、どうも勘違いしている方が多いようで、足許の潮を無視してしまっているんですね。
確かにド足許というのは乱流も多いですが、竿1本程度の距離があれば、乱流はかなり軽減しています。
そのあたりの潮を読んで、場がどういう潮流れなのかを理解すれば、沖目を狙っても釣れます。
逆に、最初から竿3~4本以上の沖目を狙う場合、水深もシモリも潮流れもコマセの沈み方もナニも判らない「手探り状態」になってしまい、釣果は期待できないですね。
事故でバリやサンノジが掛かるコトもありますが、あくまで事故です。

土日祭日になると、私のホーム釣り場では竿が林立します。
初心者向けの場なんで。
ですが、いくら潮が良くても釣れているのは、私を含め数人です。
殆どの人が釣れてません。
仕掛けが悪い人もいますが、潮読みができていないせいで、コマセと関係ない場所に刺し餌があるせいです。
まぁ、中にはセイゴ鈎に虫餌を付けてコマセ無しという人も意外といますが、そういう人はベラの相手ばかりしていて問題外です。
また、装備は金が掛かってて、仕掛け組みも問題ないのに釣れない人もいます。
そういう人は大抵沖目ばかり狙っていて、しかもコマセの投入箇所がバラバラです。
水深も読めてませんし、ナニよりもタナが妙な設定になっています。
こういう人が判っていないのは、一番の基本であるコマセと刺し餌の同調です。
コマセというのは、バカスカ撒けばイイってモンではありません。
コマセと刺し餌を同調させてポイントを的確に攻めれば、チビチビ撒いても釣れるんです。
あまりにもセコい撒き方だと釣れませんがw
上手い人は、水深や潮やシモリやタナ設定を聞いてまわってます。
そういうときは、私は全部教えています。
逆に聞いてこない人は、潮が読めているか、全くの初心者のどちらか両極端です。

ココで、ひとつオモシロいことを。
以前遠投カゴ釣りを数回やったのですが、竿は投げ竿・道糸5号・ハリス3号・発泡中通しウキ10号・ゴム管付き中通しオモリ5号・伊勢尼10号・エダスを出して2本鈎・ナイロンカゴという仕掛けで、コマセも刺し餌もオキアミのみという構成で、とにかくフルスイングでド沖目を狙ったコトがあります。
そうすると、30cm台の尾長がバカスカ掛かるんですね。
こんなデカいウキを、見事にスパン!と沈めて掛かるんです。
アワセなど必要なく、ほとんど向こうアワセで掛かります。
ソコで私が考えたのは、グレという魚は「コマセの中では餌に狂う」というコトです。
遠投カゴ釣りなんて、コマセはポロリポロリと落ちるだけです。
そんな少ないコマセの中でも見事に狂って、しかも掛かってから溢れたコマセで更に狂い、追い食いまでしてきて2匹掛かってきたりなどと、そういうコトまであるんです。
この時のカゴの役目というのは、水中ウキなんです。
つまり、うまく底潮を掴んで、ソコからコマセを出す。
一番理想的な状態なんですね。
放っておいても、見事にコマセと刺し餌の同調が成るんです。
そして、上手く同調してくれれば簡単に釣れるんです。
初心者は最初から沖目を攻めると書きましたが、沖になればなるほど、仕掛けの投入位置がバラバラになりやすく、また、コマセも上手く打てません。
アンコントローラブルな釣りとでも言いましょうか。
とにかく基本は、足許からはじめて、徐々に沖を攻めるコトです。

潮を掴むには、仕掛けの操作も必要になります。
初心者に多いんですが、仕掛けを投げたらナニもしない…というのがあります。
たとえば、仕掛けがダンゴ状態で投入された場合、仕掛けの全てが「たるんだ状態」になります。
コレでは糸絡みも発生しやすいですし、ナニより潮にのるまでに時間が掛かりすぎて、さらにはアタリがあってもウキに出ないんですね。
ですから、必ず仕掛けを張るコトが必要です。
仕掛けを張るコトによって、仕掛けがウキを中心にして扇状に馴染み、うまく潮を掴んでくれてアタリもハッキリ出るんです。
魚というのは潮下から喰ってきます。
ですから、ウマく潮にのせて張ってやり、その潮にコマセをのせてやるんです。
私の場合は、狙うポイント近辺に向けてコマセ杓を振り切って帯状にコマセを打っておき、さらにその中でダンゴ状にコマセを濃く効かせるポイントを作ります。
そのポイントより沖目に仕掛けを投入し、引いてきて仕掛けを張りつつポイントに誘導するという釣り方をします。
基本的にコマセの方が速く流れますから、仕掛けを引いてきて馴染ませる位置は、コマセの濃いトコロよりも若干潮下になります。
この時に必要なのが潮読みですね。
コマセの帯を外れないようにしなければなりません。
コマセをよく観察して、どういう潮流れなのかを常に把握します。

さて、この様にコマセと刺し餌の同調というのは難しいんですが、その難しさを半減してくれる魔法のツールがあります。
ソレは偏光サングラスです。
コレを掛けると、随分とよく水中の様子が見える様になります。
浅い場なら、潮の濁りにもよりますが、群れている魚の種類まで判ります。
コマセの沈み方も判りますし、コマセを打って暫くしてからも、水中でのコマセ霧が確認できますから、ドコにコマセが効いているかも判ります。
シモリの位置も判りますし、とにかく釣りやすいコトこの上ないですね。
初心者なら絶対に必要なツールです。
最初は安価いものでイイと思います。
マズメの釣りでは使わないコトが多いので、適当なトコロに置いてしまい、結構海に流したりしやすいですからw
高価いものが欲しくなったら、その時に買い増ししましょう。

 どうしても潮が読めない場合

どうやっても潮が読めない・潮の変化に対応できないという場合、ウキ下を短くとってシモリの直上を攻める方法があります。
コマセをシモリに被せる感じで撒いて、ソコで沸いてきた魚を釣るワケですね。
ただ、浅いシモリの上は比較的潮流れが速いので、できるだけ深いシモリを選びます。
タナ設定を誤ると根掛かりが頻発しますが、ウマくすれば良型が期待できます。
シモリというのは、潜ってみると判るんですが、私なんかが「タナ」と呼んでいる棚状の凹みが何層にもわたって形成されています。
ソコに魚が潜んでいるんですが、ソレをシモリの上に引っ張り出す感じの釣りになります。
もちろん、シモリのギリギリ脇を攻めてもイイのですが、大抵はベラが先に喰ってきますw
また、ケーソンでコマセを打ってみると判りやすいんですが、グレなどの磯魚は、体長数センチの小さいモノが真っ先に、尚かつスゴい群れで勢いよく出てきてコマセを喰い散らかし、一気にまた戻っていきます。
そして、打ったコマセがケーソンより「ある程度」遠い場合は、途中まで出てきて帰って、すぐにまた未練がましく出てきて、またすぐ帰るというのを繰り返します。
この時に「ある程度以上」の魚は、ちゃんとコマセのポイントまで出てきてコマセにつくんですね。
ですから、シモリの直上や際を狙う場合、コッパグレとの闘いになりやすいですw
ただ、ポイントを絞って釣っていれば、徐々にサイズアップが期待できますので、我慢してコッパグレを釣っては投げ釣っては投げして、キープサイズが出るのを待ちましょう。
あくまでも私の経験則ですが、シモリ直上や際を狙う場合は、チヌ用の配合を混ぜたほうがイイ釣りになりやすいですね。
何層にも重なっているタナの下の方、広いタナに居る魚を誘き出す感じで釣りに掛かるイメージですか。
魚がどういうトコロにいて、どうコマセを打てば魚を誘き出せるか、また、魚が喰うタナ設定は?などというイメージをするんですね。
何事もイメージが大事です。
ナニも考えず釣りに掛かっても、釣果は期待できません。
イメージと現実が乖離していても、経験によってイメージと現実のギャップは埋まります。
とにかく通い続けるコトが大事です。
そして様々な状況を経験し、実戦に生かすんですね。
私が聞いた中で、一番現実的かつ実戦的で妙に納得してしまった言葉があります。
「同じ釣り場に100回通え」
要は「ホーム」の釣り場を決めて通い続けろという意味なんですが、確かに現実的・合理的で実戦的な言葉です。
私は一年中、ほとんどホームの釣り場で釣っていますが、「アウェイ」とでも言いましょうか、他の場でもすぐに対応して「ある程度」の釣果をあげられています。
少し離れた場所から観察して、一番釣りやすいポイントを見つけ、実際に釣りに掛かっても、仕掛けの選定や投入と、コマセのレシピや効かせ方などなど、経験から得たものが全て生かせているつもりです。

 最後に

潮というのは刻一刻と変化しています。
潮変わりで仕掛けが馴染まなくなったと感じたら、潮に対応した仕掛けに組み替えましょう。
仕掛け操作やコマセの打ち方などの小細工で対応するのもイイですが、ソレもすぐに限界がきます。
とにかく様々な仕掛け組みを試して、潮の変化に遅れないようにします。
仕掛けの工夫も潮読みのうち。
一日中同じ仕掛けよりも、状況にあわせて変化させるほうが経験になります。

長文で読みづらい文章になってしまいましたが、ココまで読んで下さって、どうもありがとうございました。
ココで書いたのは、潮読みのために必要な項目の数%でしかありません。
あとは経験で足りない部分を補完してください。
判らなければ、実際に釣り場へ出て、釣れている人の仕掛けを参考にするのがイチバンです。
その時の潮にあった仕掛けですから。
判らないコトは、釣り場で聞くのが基本です。
いくら本を読んだりウェブで検索しても、「その時の潮」の情報なんか無いんです。
経験こそがイチバンの情報です。
同じ釣り場に100回通うのが近道で間違いないです。

では、よい釣りを~