グレ釣りのコツ

グレ釣りは攻めの釣りだ!

グレを釣るにあったって、まず必要なコトは?と聞かれたら、私は集中力と答える。
グレという魚、餌盗りは上手いし逃げ方もシモリに突っ込むなど、クセのある魚だ。
だからこそ、釣り人には集中力が要求される。

この集中力というもの、なかなか持続しないモンだ。
私は4時間が限界。
4時間釣ったら1時間は休憩しないと、途端に釣りが荒くなる。
特にタナが異常にうわずって、釣りにくいようになってきたら注意。
アタマがカーッと熱くなり、どんどん馬鹿アワセになっていく。
そういう時はまず釣れない。
タバコを吸ってコーヒーでも飲んで、クールダウンするしかない。

グレという魚にも弱点がある。
その弱点を見極めて攻め続けるのが私のスタイルだ。
弱点といっても、文章で表せるほど簡単なモノではない。
というか、日によって…あるいは時間によって変わるものだ。
ソレを如何に見極められるかが、グレ釣りの結果に結びついてくる。

おそらくは、最終的には根性論になってしまうだろう。
ソレでも仕方がない。
実際に「釣りきる気持ち」が釣果に出てくるのだから。

私が思うに、グレ釣りは「仕掛け」の作り方が結果を左右すると思っている。
当たり前の仕掛けでも釣れるが、時には奇抜な仕掛けの方が釣れるときもある。
時間・潮・活性などに応じて仕掛けを作り替える、その手間を惜しめばボウズにしかならない。
その仕掛けの作り替えでも、理に適ったモノでなければならない。
私は全誘導の仕掛けが苦手だ。
だからこそ、全誘導用のウキを利用して、けったいな仕掛けを作って釣ったりする。
要は理に適って釣れればイイのだ。
常識に凝り固まってボウズで釣り場を後にするよりも、自己流のけったいな仕掛けでボウズの方が納得できると思う。
次があるからだ。
私は一時期、「ほぼ毎日」グレ釣りをやっていた。
ヘタをすると、ホントに週7日釣りに出ていた時もある。
そのあいだに、色々な仕掛けを作ってみて色々試してみた。
1号浮き1号ウェイトスイベルに矢引ハリスという仕掛けで、タナ(シモリの棚)をタイトに攻めてシブシブの潮で釣りきったコトもある。
もちろんオーソドックスな仕掛けを試してダメだったからだ。
あるいは、エダスを出して2本鈎釣りもやってみた。
腐ったコマセも試した(吐きそうになりながらの釣りになったがw)。
沈め釣りも試した。
私の場合、1日で3~5回くらいは仕掛けを変える。
12時間以上釣りをするのだから、潮位などでも仕掛けは変わってくる。
活性に応じても変わるし、ウネリなどでも変わる。

こういう「手間」を惜しんでは釣りきるコトなど無理だろう。
雰囲気を読み、仕掛けを作り、集中して釣りきる。
ソレでもボウズの時はある。
だが、様々な方法を試してのボウズは、魚以外の何かを得た釣りだろう。

グレ釣りを教えたときのコト

先日、看板・ステッカ作りの師匠にグレ釣りを教えるという、自分でもラッキー(人に教えると気付きも増えます)なイベントがあった。
師匠は船でのアジ釣りしかしない人で、グレ…というか陸ッパリの釣りなど何十年もやっていないという人。
リールすら、ほとんど触ったコトがないという、超~初心者。
ソコで、まずベーシックな誘導仕掛けを組んで刺し餌の付け方から始まり、仕掛けの理論と流すコトから始めた。
キャスティングがうまくいかないので、振り子のようにと言うも判らず、色々やってるうちにナンとか竿1本くらいまでは飛ばせるように(ペールを開けてなげるというのが判らなんだので説明)なった。
バカを多くとって、特にリールに触らなくてもイイように教えても、なぜかできない。
次の難関が、仕掛けを張るというコト。
仕掛けを投入したら竿をあげて…というモノの、どうしてもリールを巻いてしまう。
竿を起こすと言っても、その竿を起こす意味が判らないから、またリールを巻く。
竿を起こして仕掛けを引きつつ張って、竿を下げてラインを水面に落とするという動作を見せるが、ふと見るとウキ止めが空中にある。
たまにウマくウキ止めが水面にあってアタリが出るも、アワセて!と言うと何故かリールを巻く。
竿を起こすんだと言ってもリールを巻く。
試しに私がその竿でやってみせるが、どうも判らないらしい。
私は0号遠矢ウキでのインチキ全遊動をやっていたので、その仕掛けで喰うところを見せるが、アタリが全然判らんという。
しかも、見ていると、コマセを打ったのに「キス釣りでヨブを探すように」常に仕掛けを引いてきている。
コレじゃ釣れない。

ココでふと気付く。
そうか、アジ釣りは船の延べ竿の向こうアワセ釣り。
ウキを見ていないんだと。
おそらく「アワセの必要ないミャク釣り」のつもりでやっていたんだろうと。
ココでもう一度仕掛けを引き上げ、再度この釣りの理論を教える。
アジは向こうアワセだが、グレはコッチがアワセないと掛からないというコトも教える。
仕掛けが馴染むというコトを再確認し、もう一度やってみる。
師匠がココでコッパグレを1枚あげる。
そして次は20cmチョイのモノ。
私も続いて同じくらいのモノをあげ、自分の釣りに没頭する。
コッパばかりが入れ喰いで、とにかくキープサイズがなかなか出ない
師匠は…餌がないのに流してるので、あげさせる。
自分ではコッパの群れと闘い、さらに横の師匠に釣りを教えるという状態。
私はもう1匹キープサイズをあげる。
私の場合、とにかく手数で稼ぐ釣りなので、師匠にもそうしてもらう。
「忙しい釣りだねぇ」
ときたので、
「夏なんかコレをマズメから12時間以上続けるんですよw何百回と竿を振るんで全身筋肉痛になりますよw」
と返す。
日が落ちはじめ、北風が寒くなってきたので、膝(磯で滑落してから壊れましたw)が痛くなる前に撤収。
キープサイズ3匹は師匠のお土産。

気付き

「張る」という言葉の意味が通じない場合が多い。
「ウキでアタリをとる」というのが、青モノの考え(ウキが沈んだときは掛かっている)になっている。
「海は向こうアワセ」と思ってる人が多い。
「そもそもウキを見ていない」コトが多い。
「教えるなら同じ仕掛けでやるべき」だったw

最後に。
グレ釣りのコツは、釣りきる集中力だ。