ソニカの添加剤について

 私は添加剤を信用しない

私は、エンジンオイルへの添加剤はおろか、水抜き剤とやらまで一切使用しない。
オイル交換で勧められる、専用オイルによるフラッシングもしない。
アーシングもしないし、怪しげな「マイナスイオン」や「分子構造を云々」なんてぇ「貼る(or巻く)だけで燃費向上」などというものも一切信用しない。

はじめてのフラッシング

一度だけ、以前勤めてた会社の社用車で、専用オイルによるフラッシングをしたことがある。
10年くらい前、千葉県千葉市の某ガススタで。
勧められたんで、まぁ会社の金だし、ここは試してみるかということでやってみた。
その社用車は、走行距離10万Km少々、オイル交換サイクルが常に3000Km程度という、まぁ普通のカローラバンだった。
いつもはフラッシングなど断っていたんだが、その日はなんとなくやってみたくなったのだ。
で、結果。
エンジンをかけてアイドルをはじめて十数秒後、突然ゴリゴリゴリというもの凄い音がエンジンルームから聞こえてくる。
急いでエンジンを切り、ガススタの兄ィちゃんに見てもらう。
んが、ガススタの兄ィちゃんは、おもむろにもう一度エンジンをかける。
音がゴリゴリゴリからだんだん小さくなり、小さくゴリゴリゴリ…となったあと、普通の状態に戻っていった。
心配ないと主張するんで、まぁ壊れても会社の車だしと思い、そのまま帰ったが、やはり通常の消耗品以外は使うもんじゃないと再確認した。
たぶん、フラッシングオイルによって油膜が切れ、シリンダかカムかメタルかしらんが、通常は油膜でフローティングしてるのが直接接触し、それが原因で異音を発したんだと思う。

それ以降は、フラッシングなどしたことがない。
そもそも、フラッシングって何だ?
エンジン内のスラッジを洗うというが、ある程度の品質を保ったオイルをこまめに交換し、妙な添加剤など入れなければスラッジなどほとんど出ないだろ?
金属の摩耗やバリ云々と言う人間もいるが、エンジン内のムービングパーツはオイル(による油膜)によってフローティングしてる。
つまり、妙なフラッシングオイル使用やオイルの極端な劣化によって油膜が切れない限りは、金属同士が接触することなど有り得ない。
本当にエンジンを保護したいのであれば、ベースオイルのしっかりしたオイルを、「きちんと洗浄して砂やホコリを落としたジョッキ」を使用して、なおかつオイル注入時に砂やホコリが入らないように「保護」しながらオイル交換するべきじゃないのかね。

エンジンオイル添加剤

これも不必要だと思っているものの代表。
上にも書いてあるとおり、ムービングパーツはオイルによってフローティングしている。
よほど劣化しない限り、このオイルによる油膜が切れることなど無い。
つまり、ムービングパーツの擦動抵抗など、擦動部分の面積とベースオイルの性能によって決まってくる。
余計なものを入れると、それ自体が劣化してスラッジになりかねん。
高い添加剤を入れるくらいなら、いいオイルを入れた方が経済的だ。
どうせ交換時期は変わらないんだし。

燃料添加剤

これは、有鉛ガソリン仕様に無鉛ガソリンを使用する際のもの意外、入れる必要が無いと思っている。
オクタン価を上げて云々などというのもあるが、ハイオク入れた方が安くないか?
燃焼室内洗浄剤云々というのも、そもそもソコまでカーボン堆積が進んでるんなら、プラグや補器類の異常を疑った方がいいし、補器類などの異常がなくてカーボンが異常に堆積しているのであれば、そりゃオーバーホール時期だっつぅこっちゃ。
インジェクタノズル洗浄・スロットル洗浄云々っつぅのも、インジェクタノズルは精密機械なんだから妙なモン使わんのが賢明だし、スロットルバルブは定期的に清掃するもんだろうに。
そもそも燃料が変質しちまったら、エンジンに悪影響が出ること必至。
余計なことをする前に、メンテをきちんとするべきじゃないのかね。

貼りものなど

こんなもん、似非化学・オカルトだわ。
分子構造云々を改善などで燃費30%アップ!などと謳っているが、そもそも科学的根拠に乏しい。
燃費は吸入空気量に比例し、分子構造云々で吸入空気量が数十%向上するのであれば意味があるんだろうが、そうでないなら眉唾でしかない。
そもそも、吸入空気量が少ないのであれば、それはフィルタの詰まりなどを疑うべきである。
もし吸入空気量を大幅にあげるのであれば過給するしかない(充填効率とは別の話)し、燃焼効率をあげたいならば、燃焼室の形状変更などでしか対応できないと思う。

水抜き剤

必要ないものの代表。
こまめに乗っていれば、水など溜まるわけがない。
燃料タンク内の燃料取り入れ口はタンク底に位置しているんだから、比重の重い水は先に吸われる。
水によるエンジンへのダメージより、水抜き剤によるフュエルラインへのダメージのほうが問題。

 まとめ

結論から言っちまうと素人が素人考えで妙なマネをするなっつぅこった。
判らんのなら触らない、その当たり前のこともできずに、妙なマネして機械を壊すヤツの多いこと多いこと。
いや、自分ちの敷地内で、自己責任においてやるんならいいがね、バイクやクルマなんてぇのは公道を走るんだし、しかも万が一の場合には社会的責任・制裁を求められる。
素人が安易な考えで妙なモンに手ェ出して、たとえば事故であったり、たとえば故障で幹線道路を塞ぐようなカタチで迷惑をかけたりなんつぅコトになったら、一番困るのは自分なんじゃないのかぇ?

妙な添加剤なんかに頼るんではなく、きちんとプロにメンテしてもらう方が、結局は安上がりになるんじゃないのかね。

まぁ、ひとりひとり考え方は違うから…